肌に必要なヒアルロン酸、スキンケアにどう生かす?

肌の保湿に必須のヒアルロン酸

肌の水分補給、保湿と言えば、一番に思い浮かぶのはヒアルロン酸ではないでしょうか?
基礎化粧品、目薬、サプリ、また、ヒアルロン酸注入など美容や、健康などに、今では欠かせないものになっています。

ヒアルロン酸とは?

ヒアルロン酸とは、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種で細胞と細胞の間に多く存在し、
水分保持やクッションのような役割で細胞を守っています。

肌の部分で言うと、真皮に多く含まれ、水分を保持しています。

ヒアルロン酸の特徴

1グラムのヒアルロン酸は、2~6リットルの水に対し水和能を持っています。
つまり、1gで6リットルの水分を保持できるのです。
そのため、肌の保湿と言えば、ヒアルロン酸が代表的なものになっています。

ヒアルロン酸粉末を水で薄めた水溶液は、無色透明で無味無臭です。
コラーゲンやプラセンタなどは、製品によっては、特有のにおいが気になる時があります。
この点ではヒアルロン酸は抵抗なく使用できます。

ヒアルロン酸の粘度は、濃度や分子量によって異なり、濃度が高く分子量が大きいヒアルロン酸ほど、ドロっとしたジェリー状をしています。

身体の中のヒアルロン酸の働き

1.目
目の硝子体(しょうしたい)は、眼球の水晶体(レンズ部分)の後方にあって、内側をうめる透明なゼリー状の組織です。
ここには、ヒアルロン酸が多く含まれていて、眼球を丸く保つように働いています。
よく、目薬にもヒアルロン酸が配合されていますね。

2.皮膚
皮膚は、外側から順に、表皮・真皮・皮下組織の3つの層でできています。
表皮の下の真皮は、表皮の約10倍の厚み、とは言っても皮下組織を除くと平均で約2ミリの厚みなのですが、
ヒアルロン酸が多く含まれていて、肌の乾燥を防ぐ働きがあります。

3.関節
関節内には、関節液というものがあり、ヒアルロン酸が多く含まれています。
関節内でヒアルロン酸は、関節の動きをよくする役割も担っています。

ヒアルロン酸の肌効果

ヒアルロン酸はもともと体内に存在するものですが、
コラーゲンやエラスチンなどと同じように、加齢とともに
その生成量は減少していきます。
体内に存在するヒアルロン酸の量は、幼少時がもっとも多く、
30代以降は急激に減少していきます。

ヒアルロン酸は、粘弾性物質といわれており、非常に高い粘性
(ねばりけ)と弾性(元に戻ろうとする性質)を持ちます。
真皮にあるヒアルロン酸はゼリー状で水分を抱え込み
エラスチンなどとともにコラーゲンの間で、これを支え
肌にハリや弾力を与えます。

ゼリー状のヒアルロン酸が水分を抱え込む

肌の保湿機能を持つヒアルロン酸が減少すると、その影響で肌の保水力が低下し、コラーゲンなどを支えきれなくなり
ハリが失われたり、しわやたるみなどの原因となり、老化現象が始まります。
しわやたるみには、他にもいろいろ複雑な原因が重なりあっています。

ヒアルロン酸注射

ほうれい線やたるみなど、老けた印象を与えるお顔の悩みを手軽に改善させるのにヒアルロン酸注入が美容皮膚科などで用いられます。
メリット
ヒアルロン酸注入のメリットはずばり、「即効性」です。
ヒアルロン酸は元々、ヒトの体内に存在している物質で、体内にある自分のヒアルロン酸と融合し、皮膚にふくらみが生まれます。
シワの凹みを持ち上げることで、くぼんだ肌がなだらかになりシワが改善するというわけです。

デメリット
「持続性の低さ」です。これはヒアルロン酸が元来体内に存在する物質であるからこそ起こる現象で、
ある意味仕方のないことです。

ヒアルロン酸の成分は注入後、少しずつ体内に吸収されてしまうからです。

そのため、せっかく注入して改善したシワも、徐々に、元の状態に戻ってしまいます。
ですから、効果を持続させるためには、一定の期間を置いて定期的にヒアルロン酸注入を施術する必要があります。

副作用
ヒアルロン酸注射は、医療行為ですので副作用等がないわけではありません。
安全性が高く、世界中で行われている施術といってもやはり、少しでも危険性があるという事は知っておいたほうがよいでしょう。
細胞壊死や失明といった症状を起こしてしまった事例もあります。
ヒアルロン酸注射の副作用で最も重篤な副作用は血管閉塞です。
ヒアルロン酸を血管内に注入し、その血管、もしくはその血管と繋がっている血管をヒアルロン酸で閉塞させてしまい、
その血管を栄養としている部位が潰瘍か壊死させてしまうことがあるのです。
皮膚の薄い箇所、目の周りなどはとくに注意が必要です。